夏休みに入ってすぐ、おひさまさん(年長組)のお泊り保育がありました。

一泊二日ではありますが、こども達にとっては大きな大きな挑戦です。
とってもたのしみ~という子もいれば、ぼくはぜったい行かないよ~という子もいて。
我が子はぜったい行かない~!タイプだったのです。


おひさまさんに進級してすぐ闘いは始まっていました。おひさまさんになった嬉しさ。でも待てよ・・・前のおひさまさんから聞いていたお泊り保育が自分にやってくるんだ・・・と気づいたのか、
『おとまりがあるから、おひさまさんなんてやだ・・・』
そうだよね。でもまだまだ時間はあるよ。ゆっくり考えたらいいよね。

おひさまさんだけで過ごす日でお友達のことを少しづつ知って、自分の力をたくさんためして、楽しいこともたくさん共有して。『おひさまさんデー、めっちゃたのしい』とキラキラの顔を見せてくれていました


6月中旬頃(気づけばあと1ヶ月)から、夕食になると
『おとまり、いきたくなーい』『おとまりは行かなきゃいけないのー?』『もうおとまりのバカー』泣き出すことが多くなりました。
どうしたものかな・・・?私の気持ちは・・・考えても仕方ないし、気楽に行こう!
でも待てよ・・・彼の気持ちに寄り添うって・・・?
先生にもどう気持ちに寄り添ったらいいのか相談にのっていただきました。
おひさまさんの日に『行きたくない人~?』と聞かれ、手を挙げ、泣いていたようです。


7月に入って、みんなで『流れ星をつかまえた~い』『おまつりをする~』と話しが出たらしく、楽しいイメージができたのか『やっぱり、おとまり行く~』お友達の力も大きく『Yくんがいくなら、行く~』『おねしょしちゃってもだいじょうぶらしいよ』(たぶん一番心配だったのかな)と気持ちも変わってきて
保護者向けの説明会もあり、『朝明の山荘でテントを張りキャンプをして、夜になったら電気を消して、火を焚いてどんな気持ちになるか味わってみたい』ということが決まっていますと聞いてなんとなくイメージがわき。送り出す側の気持ちも整って。

いざ、前日。『準備をしようか~』と言ったら、『やっぱり行かないから、じゅんびしない・・・』
・・・『行かないっていうのは、ないらしいよ』というと渋々・・・
お便りをみながら一緒に準備。でも準備している間に気持ちも晴れてきてホッと

さぁ、当日の朝。いつもより早く準備を済ませて、『行こうか~?』『・・・いかない』準備をした大きなカバンの前に寝転んでいた。・・・どうしよう?『遠回りして行く~?』と聞いたら気持ちがのった様で、大きなカバンを持って車へ。早く準備ができててよかった~。と思う存分遠回り。いつもとあまりにも違う道を通るものだから、不安になったのか『ほんとうにちこくしちゃうよ~』『ちこくしちゃったらおいていかれるかな~』とか言いながら、時間までに到着。


徐々に集まって来ていたお友達、先生をみるとスイッチが入ったのか、『いってくる』とたくさんの荷物をひょいっと持ってバスに乗り込んでいった。
本当にたくましく、なんとも言葉にならない気持ちでいっぱいになりました

その晩、一人家にいないだけで、こんなに家が広く、静かなんだ・・・。と存在の大きさに気づかされ、主人は『なんか寂しいな~』と。一歳半の弟はリビングの窓に張り付き朝明の山の方に向かって『にーにー』と何度も。私はあのバスに乗り込む姿が何度も思い浮かび『あの子なら大丈夫』そんな気持ちでいっぱいで。

次の日、お迎えに行くと、園舎の中でいつものように座っていました。その背中はいつもより大きく感じ、どの子からも『やったよ~!』『できたよ~!』と聞こえてきそうでした。

家に帰ると満足感とやりきった後の解放感でいっぱいで、またひとまわり大きくなったなぁ~。としみじみ感じました。『楽しかった~?』と聞くと『おもっていたより、ずーっとずーっとたのしかった』『まいにちおとまりほいくでもいいくらい』どんな宝物をみてきたんだろう?心の中に焼きついているんだろうな。
勇気を出して行ってみてよかったね!本当によく頑張ったね。


みんなでどんな楽しいことがあったのかな?困ったこともきっとみんないたから大丈夫だったよね。母としてはあれもこれも聞きたくて・・・。でも時折、引き出しを一つひとつ開ける様にこんなことがあったよと話してくれるのを楽しみに聞いています。


次はおひさまさんみんなでお泊りできます様に。
そしてこどもの気持ちに寄り添ってくださる先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

mayo